1 はじめに
サラリーマン増税 底なしという話題をよく見かけるようになりました。
実際、岸田政権ではサラリーマンのみを狙い撃ちした増税はしないとしていますが、今後、大多数のサラリーマン層に対して増税が行われる可能性は高いです。
少子高齢化と社会保障の増加が課題であることは今後も変わらないと予想しています。
私は、日本の未来に悲観的です。
給料が上がらない状態で増税や物価上昇が続き、日本のサラリーマン層は生活もやっとという人も多いのが現実だと思います。
そんな中でも、私は勤倹貯蓄で投資するべきと考えています。
投資は、私たち庶民がラッドレースから脱する、再現性の高い唯一の方法だからです。
我が家も、最初は絞り出すように投資資金を捻出してきました。
それぞれ状況は違えど、大変なのは皆一緒。
10年後・20年後に笑うのは行動した人だけです。
何とか貧乏から抜け出したいと思うのであれば、【人よりいい暮らしがしたい。少なくとも、いい暮らしをしていると見せかけたい】そんな上っ面の虚栄心を捨てて、将来の大きな成功を掴み取る一歩を踏み出しましょう。
今回は、円安が続く中でも本当にインデックス投資はするべきなのか解説していきます。
2 為替って何?
簡単に言ってしまうと為替は通貨の人気投票のこと!
為替って何となく難しそうですよね。為替と株式投資は密接な関係です。
為替は通貨の人気投票のことで、「円」を持つ方がよいと判断する人が多ければ「円」を買う人が増え、すると世の中に出回っている「円」が少なくなるので、他の通貨より円の価値が高くなる=円高となります。
円と交換する通貨はシーソーのような関係です。
つまり、どちらかの通貨が高くなれば、もう一方の通貨は下がるということです。
円よりもドルを欲しい人が増えると、「1ドル=100円」から「1ドル=150円」になるように、ドルの価値が上がり、逆に円の価値は下がります。これが今のような円安の状態です。
これまで、100ドルの株を10,000円で買えていたのが、今は15,000円出さないと買えないので、全世界株や米国株に二の足を踏む人が出てくるのは仕方ありません。
インデックス投資を始めたいと考えていた人や始めたばかりの人が悩むのは、大きく分けて以下2つのことについてだと思います。
円安で投資についての悩みを抱える人
「円安の時にインデックス投資を始めて大丈夫なのかな?」
「円安の時は、投資額を減らし、円高になったら増やした方が良いのかな?」
ずっとS&P500や全世界株に投資している方は、あまり「一旦、米国株や全世界株を売却して利益確定すべき?」などの疑問は持たないかと思います。何故なら、長く市場に居続けることこそ必勝法だと知っている人がほとんどだからです。
次の章で、悩みを解消していきましょう。
3 円安時の疑問
(1)インデックス投資を始めて良いのか
円安の悩み1つ目、「円安の時にインデックス投資を始めて大丈夫なのかな?」という疑問についてですが結論から言うと「今すぐにでも始めよう!」が私の答えです。
しかし、以下の条件で投資をすることが前提となります。
投資の前提条件
- リスク許容度の範囲内での投資
- 15年以上の長期投資
- 投資先はリスク分散された低コストのインデックスファンド
まず、以前、リスク許容度については生活防衛費を先に貯めてから自分の余剰資金を投資に回すという話をしました。株式投資はあくまで上がったり、下がったりを繰り返し株価は読めません。
そもそも株価や為替は読めない、という前提を忘れてはいけません。
もし皆さんが相場を読めるなら、長期のインデックス投資をするより、短期目線で個別株にレバレッジをかけて投資した方が効率よく稼げます。株式投資はリスクがあるからリターンもある、だからこそ自分がとれる分だけのリスクを負ってリターンを確実に狙っていくのです。
その他、年齢・家族構成・投資経験や資産額によってもリスク許容度は異なります。
私の場合、大きなマイナスが発生した場合に冷静でいられる額が目安です。
そして、リスク分散させるということも大事です。我が家は、主にティッカーシンボルだとVTI・VT・VOOと米国株中心に買っているため、債券も買っている人よりリスクを多くとっています。この辺はキャッシュとのバランス(キャッシュポジション)で調整しています。
貯金から投資を考えている場合には、私なら生活防衛資金を除いた金額を12ヶ月で割った金額分、毎月投資していきます。例えば、これを応用して生活防衛資金を除いた金額の1/3を現金で予備にとっておき、2/3を12ヶ月で割って月々投資していくなどでも良いと思います。
それぞれのやり方で、毎月少しづつ買い増すことを意識しましょう。
(2)円安の時は投資額を減らす?
こちらは、投資経験のある人が悩みがちなことだと思います。私も昨年2022年に円安が進んだ時にふと頭によぎりました。
しかし、我が家が至った結論は「投資額は減らさない」です。
なぜ投資額を減らさない決断をしたかというと株価や為替は読めない、という前提がこの時、頭からすっかり抜けていたことに気づけたからです。
投資センスもない私が、上げ相場を見極めることは不可能です。だからこそ、インデックス投資で長期分散を徹底してきた。
「上げ相場」を取り逃がすことは致命的です。
投資額を多くしたり少なくしたりして、リターンの少ない時期に少額しか投せずにリターンが大きくなった時期にそれまで分も余計に多く投資するなんて素人には難しすぎるのです。
そんな事を繰り返して、リターンの高い時期を取り逃がすと後から巻き返しは難しくなります。
詳しく、その理由を次章で見ていきましょう。
4 大事なのは”稲妻が輝く瞬間”に 市場に居ること
投資を始めたばかりの人に、おすすめしたい本が「敗者のゲーム」です。
「敗者のゲーム」とは日本経済新聞出版によって2022年1月6日に出版されたチャールズ・エリス氏による著書です。
全米累計100万部のベストセラーで、多くの投資家に読まれてきたインデックス投資家のバイブルです。
アクティブ投資家だった著者の経験を踏まえてインデックス投資の重要性が語られており、敗者のゲームとは何か、負けない戦略とは何かが分かります。
稲妻が輝く瞬間に居合わせること
「稲妻が輝く瞬間に居合わせること」は、本書の名言の一つです。
『稲妻が輝く瞬間』とは、最大の上げ相場機会のことを意味します。
つまり、名言「稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせなければならない」とは「最大の上げ相場のタイミングを逃さないように、常に市場参加しておくことが大切」という意味です。
なぜなら、以下2つがインデックス投資家に必須の知識だからです。
- 稲妻が輝く瞬間を逃すとリターンは大幅に減少する
- 上昇相場の正確な予測は不可能
1980年から2016年の間でS&P500に全期間投資すると年利11.4%、ベスト10日を逃すと年利9.2%に低下、ベスト20日を逃した場合は年利7.7%に低下、さらにベスト30日を逃すとなんと6.4%に低下してしまうということがグラフで説明されています。
たった1ヶ月逃してしまうだけで、半分近くもリターンが減少してしまうなんて恐ろしいですよね。
こそでチャールズ・エリス氏が言ったのが、先程ご紹介した名言「稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせなければならない」です。
詳細が気になる方は、本書でチェックしてみて下さい。
元々優秀なアクティブ運用家であった著者だからこそ、説得力のある1冊です。
5 まとめ
好況でも不況でも、円高でも円安でも投資の始めどきは、常に「今」です。
始めたからには、稲妻が輝く瞬間を逃さないように機械的に決めた額を毎月投資しましょう。
それこそが、上場相場を取り逃がすことなく市場に居続けるられる秘訣なのです。
ドルコスト平均法で、長期的な目線をもってコツコツ積み立てることを心に決めたのであれば、円高円安に慌てることなく冷静に買い増していきましょう。
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