1 ミレーナ(IUS:子宮内避妊システム)とは?
経血量が多い・月経痛が強いといった症状の緩和に役立つ避妊リングです。
レボノルゲストレルという黄体ホルモンがリングに付加されており、挿入すると5年間にわたり持続的にホルモンを放出します。
ピルと違い、薬を毎日服用する必要がなく、リングは薬剤の作用する範囲が子宮周辺のみのため、血栓症などのリスクもありません。ピルよりも高い避妊効果が得られます。
ミレーナには子宮外妊娠を回避する効果はありません。
2 おすすめしたい方
【
おすすめしたい方】- 月経困難症や過多月経の方
- 子宮腺筋症・単純型の子宮内膜増殖症などのある方
主成分のレボノルゲストレルが子宮内膜の増殖を抑制することで経血量もかなり減ります。
生理が来なくなるケースも10%~20%程度ありますが、排卵がなくなるわけではないため、
外した後の妊娠に悪影響も及ぼしません。
生理痛が強い月経困難症の改善にも大きく役立ちますし、子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症で生理痛が重い場合にも高い効果が見込めます。
私は、出産後の過多月経に悩まされて、出産した婦人科を受診して、ミレーナを案内してもらい5年前に挿入しました。
今回は、その入れ替えです。もともと出血量が多い方でしたが、産後1年ほどは周期も乱れ気味であまりの出血の多さで、夜も寝具を汚してしまいそうでほとんど眠れず、日中も仕事が手につかないほどでした。
ミレーナを入れてからは、翌月のみ少量の月経がありましたが、5年間ほとんど月経がありませんでした。
家族で旅行に出かけたり、日帰り温泉に行くことが休日の楽しみになりました。
3 費用
私の場合は、過多月経という疾患の治療でミレーナを入れているため健康保険が適用されます。
私は今回、入れ替えでかかった費用は12,930円でした。
過多月経などの疾患の治療を目的とする際は、ほとんどの医療機関で超音波検査など検査があります。
費用は、5年前の超音波検査が5,000円程でした。
器質性月経困難症などの治療でミレーナを入れる場合にも健康保険が適用されます。
治療ではなく避妊を目的としたミレーナ挿入の場合は、自費診療となります。
自費診療は、5~10万円程度の費用がかかりますが、ミレーナは効果が5年間持続するためおすすめです。
4 必要な定期検診
処置をしてもらうときには、このようなリーフレットをもらい今後の定期検診の説明を受けます。
正しい位置にあるかを定期的に確認するために、必ず定期検診を受ける必要があります。
私の場合は、前回同様に今回も1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後、その後年1回でした。
5 挿入後の脱出率1.5%
気付かない間の脱出に関しては、国内の臨床試験で挿入後1年間の脱出率1.5%と報告されています。
サイズは、T字型の約32㎜×約32㎜ほどの小さな器具です。
使用感としては、かなり脱出の可能性は低いと思います。先端の紐を自身で故意に引っ張らないと、簡単に脱出する仕様にはなっていません。
6 脱出時・挿入時の痛み
【脱出時の痛み】
私の場合は、全く痛くなかったです。脱出した感覚は、わずかにありました。
【挿入時の痛み】
産後直ぐに挿入した前回よりも、子宮口が開かなかったため、少し子宮を引っ張って入れていただいたので痛みはありました。
しかし、後陣痛の時の痛みに似たものが入れる数分だけ続いたのみで耐えられない痛みでは全くなかったです。
7 挿入後の出血
【挿入後の出血】
前回と違い、子宮口の開きが悪く入りにくいため挿入中から挿入後にかけて出血がありました。
挿入後の不正出血は、少量ながら2時間くらい続きましたが痛みはなく、パンティーライナーを下着につけていたのでそれで対応できるような少なさでした。
【2〜3日後】
不正出血は、挿入当日の2時間ほどで終わり、吐き気や腹痛・頭痛も全くありませんでした。
違和感もありません。
8 おすすめの理由
ミレーナがおすすめなのは、出産経験があり、月経困難症や過多月経の方です。
あとは、避妊を目的とする人です。
避妊は、自費になってしまいますが女性自身で身を守る術として知っておくと良いと思います。
ほかにも、以下のような人におすすめです。
- 毎日のピル服用がわずらわしい人
- 月経痛を軽減したい人
- 月経量を減らしたい人
- すぐに子どもをもつ予定がない人トータルコストを抑えたい人
- タバコを吸っている人(ピルと違い血栓リスクがないため)
避妊目的でミレーナを使用するのには5~10万円程度の費用がかかりますが、トータル的にはピルよりもコストを抑えられます。
保険適用外のピルを毎日服用した場合、5年間で約18万円ほどのコストがかかるため、ミレーナのほうが約10万円費用を抑えられることになります。
加えて、月経困難症や過多月経と診断された場合は保険適用になるため、さらに費用を抑えられます。
生理痛や月経量の多さに悩んでいる方は、一度医療機関を受診してみてください。
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